なんか悔しい。
私だけ体が熱くって、息をするのもやっとなんてずるい。ナツ君だけいつも余裕なんだもん。ちょっとはへこめばいいのに。
「違うよその逆。キスはもう……」
「そう? じゃあなんでそんなとろけた顔してんの?」
「うそっ、私そんな顔して……」
うわわぁ。隠そう、とにかく隠そうとじたばた。
でもナツ君にはやっぱり逆らえない。
「なんで隠すの? その顔が見たくて意地悪してんのに」
何もかもが無駄な抵抗だった。
「あと黒木も他の男ももう寄せ付けたらダメだから。やっぱ俺のってしるし、今のうちに付けとかないと」
ナツ君はぶれない、曲げない、譲らない。
「それはダメっ。そんなことしたらナツ君のこと……嫌いになるかもしれないよ」
柄にもなく抗ってみた。
一度でいいからナツ君をあたふたさせてみたくて。
「へぇ、そんな生意気なこと言えるようになったんだ?」
でもあれ、逆効果?
ナツ君はきゅっと口角を上げた。
「もっと煽っていいけど、そんなんじゃ俺は崩せないよ。本気モードに入っても知らないから」
口でだって全然敵わなかった。
それに、今までのってまだ本気モードじゃなかったの?
そのことに驚愕。



