「じゃあこのまま抱き上げよっか?」
「へっ、えっ?」
ナツ君の腕が両ひざの下に入ってきた。そこ……スカートない……肌と肌が、直接あた、あたって。
「……ひぁぁ、っ」
思わずナツ君の胸元に顔を埋めてしまった。せっかくみんなから逃げ切ったのに、ここから出たって立てなくなったら意味がない。
「自分で直せるから、っ。それ……くすぐったい……」
そう言ったら、ナツ君にあのスイッチが入った。私なんかには手に負えない、いつもの、例の。
「わかった。じゃあ紗知もまだ動かないで」
「えぇ、なっ、なんで?」
「なんでって、その顔もっと見たいから」
どうして正直に言っちゃったんだろ。
意地悪那月が発動しちゃったよ。
なんかもう、頭にきて胸元をぽかぽか叩いた。
だけどそんなの全然こたえてないみたいでクスクス笑ってる。
「からかうつもりだったのになんでそんな可愛い顔すんの? ここ学校だってわかってやってる?」
どうしよう、悪くて艶っぽい大人な那月が私の気持ちを見透かそうとしてる。



