先輩はもちろんナツ君の存在に気がついてる。でも変装のせいで青山一佳だとはわかっていないみたい。 「あれ、もう一人の担当って君?」 悪びれない笑顔でナツ君に声をかけた。先輩は委員会の子の顔なんてきっと覚えてないんだ。 「まぁ誰でもいっか。あ、さっちゃん濡れてるよ、ほらここ」 「……いえ、ハンカチ持ってるので」 慌ててポケットを探っているのに先輩は「ほんとにいつもドジばっかだね」って笑いながら手を伸ばしてきた。 でもその手はあっさりと、ナツ君にブロックされてしまった。