冷徹執事は溺愛を隠さない

私、伊集院(いじゅういん)胡々(ここ)の生活はまず起こされる所から始まる。

「胡々。起きてください」

「んー・・・・・・」

暗い視界の中で低くて冷淡な声が脳に響く。

それすらにも私は生返事をする。

「今日はベーコンエッグにホテルロール。デザートにスモア、でしたっけ」

そんな声が聞こえ私はガバッと体を起こす。

朝ご飯のメニューが淡々と告げられていたようだ。

「零!着替えるから出てて!」

笑顔で言うと零が相変わらず無表情で口を開く。

「起きるならさっさと起きてください」

「分かったから!ほら、早く早く!」

顔はいいのに本当、勿体ないなぁ。

私を起こせる天才は私の専属執事の西園寺(さいおんじ)零(れい)だ。

顔良し能力良し私を手懐けた天才執事。

でも無表情無愛想冷徹無慈悲。

私の大事な大事な睡眠時間を奪い取る悪魔なのだ。

私は高校の制服に袖を通す。

何処ぞのお嬢様学校じゃなくて私は一般高校に通っている。