いよいよ、私の受験の日が近づいていた。
前日の夕方。
新幹線に乗るため、私は駅のホームに立っていた。
明日の試験に向けて、少し早めに出発する。
だけど――
本当は、試験のことよりも。
今、この時間が終わってしまうことのほうが寂しかった。
「じゃ、行ってくるね」
そう言うと、翔は頷いた。
「おぅ。頑張ってこいよ」
いつもの笑顔。
その顔を見ていると、不思議と緊張が和らいでいく。
「……うん」
そのとき。
翔が自分のマフラーを外した。
「え?」
「これ、巻いとけ」
翔の手が、私の首元にマフラーを巻いていく。
ふわっと温かさに包まれる。
「でも、翔が寒いんじゃ……」
「俺は大丈夫」
そう言って、マフラーの端を整える。
「ちゃんとあったかくしろよ」
「……うん」
胸の奥まで、温かくなった。
そして翔は、私の両手を取った。
冷たくなった手を、両手でギュッと握ってくれる。
「瑠夏なら絶対大丈夫」
その言葉が、心の奥にまっすぐ届いた。
「……ありがとう」
泣きそうになる。
でも、泣きたくなかった。
明日はちゃんと笑って、試験を受けたい。
「じゃあ、行ってくる」
「ああ」
新幹線がホームに入ってくる。
私は一歩、乗車口へ向かった。
振り返る。
翔がそこにいる。
私だけを見ている。
新幹線に乗り込み、窓際の席に座る。
ゆっくりと扉が閉まった。
小さな窓から、翔の姿が見える。
私は手を振った。
翔も笑顔で手を振り返してくれる。
新幹線が動き出す。
少しずつ、翔の姿が遠くなる。
それでも最後まで、翔は笑っていた。
その笑顔を見つめながら、私は胸の中で呟いた。
大丈夫。
翔が応援してくれている。
だから――
絶対に、頑張る。
マフラーに残る翔の温もりを感じながら、私は前を向いた。
前日の夕方。
新幹線に乗るため、私は駅のホームに立っていた。
明日の試験に向けて、少し早めに出発する。
だけど――
本当は、試験のことよりも。
今、この時間が終わってしまうことのほうが寂しかった。
「じゃ、行ってくるね」
そう言うと、翔は頷いた。
「おぅ。頑張ってこいよ」
いつもの笑顔。
その顔を見ていると、不思議と緊張が和らいでいく。
「……うん」
そのとき。
翔が自分のマフラーを外した。
「え?」
「これ、巻いとけ」
翔の手が、私の首元にマフラーを巻いていく。
ふわっと温かさに包まれる。
「でも、翔が寒いんじゃ……」
「俺は大丈夫」
そう言って、マフラーの端を整える。
「ちゃんとあったかくしろよ」
「……うん」
胸の奥まで、温かくなった。
そして翔は、私の両手を取った。
冷たくなった手を、両手でギュッと握ってくれる。
「瑠夏なら絶対大丈夫」
その言葉が、心の奥にまっすぐ届いた。
「……ありがとう」
泣きそうになる。
でも、泣きたくなかった。
明日はちゃんと笑って、試験を受けたい。
「じゃあ、行ってくる」
「ああ」
新幹線がホームに入ってくる。
私は一歩、乗車口へ向かった。
振り返る。
翔がそこにいる。
私だけを見ている。
新幹線に乗り込み、窓際の席に座る。
ゆっくりと扉が閉まった。
小さな窓から、翔の姿が見える。
私は手を振った。
翔も笑顔で手を振り返してくれる。
新幹線が動き出す。
少しずつ、翔の姿が遠くなる。
それでも最後まで、翔は笑っていた。
その笑顔を見つめながら、私は胸の中で呟いた。
大丈夫。
翔が応援してくれている。
だから――
絶対に、頑張る。
マフラーに残る翔の温もりを感じながら、私は前を向いた。



