閉会式が終わったあと。
瑠夏は、翔と拓実先輩と三人で話していた。
拓実先輩は、相変わらず優しい笑顔で、瑠夏に言葉をかけてくれる。
「瑠夏、今日はよく頑張ったな。とっても綺麗だったよ。」
「ありがとうございます」
「本当に、すごかったぞ」
そんな三人のところへ、見知らぬ女性が近づいてきた。
「突然すみません。少しお話してもよろしいですか?」
「……はい?」
瑠夏が不思議そうに女性を見る。
女性は、柔らかく微笑んだ。
「先ほどの演技を拝見していました」
「ありがとうございます」
「とても素敵な演技でした。それで……」
女性が少し間を置いてから、瑠夏に尋ねる。
「モデルのお仕事に興味はありませんか?」
「……え?」
瑠夏は目を丸くした。
翔も、隣で女性を見る。
拓実も少し驚いたように、瑠夏へ視線を向けた。
女性から仕事の内容や事務所について、簡単な説明を受ける。
そして、女性は名刺を差し出した。
「一度、保護者の方と相談してみてください。もしご興味があれば、こちらにご連絡ください」
「……ありがとうございます」
瑠夏は名刺を受け取った。
けれど、まだ何が起きたのか理解しきれていない。
手の中の名刺を見つめる。
そこに書かれている言葉。
モデル。
「……私が、モデル?」
その様子を隣で見ていた翔は、最初は笑っていた。
――さすが、俺の彼女。
そんな誇らしい気持ち。
けれど、女性が去ったあと。
瑠夏の手の中にある名刺を見る。
モデル。
芸能の仕事。
知らない世界。
翔の胸の奥に、少しずつ何かが引っかかっていく。
「翔?」
「……ん?」
「どうしたの?」
「いや……」
翔は笑おうとする。
「すごいじゃん、瑠夏」
でも、その笑顔が少しだけぎこちない。
瑠夏は気づかない。
「私、まだよく分かってないんだけど……」
「うん」
「お母さんに相談してみようかな」
「……そうだな」
翔は頷く。
けれど、頭の中には、
――瑠夏がモデルになったら、どうなるんだろう。
そんな不安が生まれ始めている。
まだ反対するほどではない。
まだ「やめろ」と言う気もない。
ただ、
自分の知らない場所へ瑠夏が進んでいってしまうような気がした。
瑠夏は、翔と拓実先輩と三人で話していた。
拓実先輩は、相変わらず優しい笑顔で、瑠夏に言葉をかけてくれる。
「瑠夏、今日はよく頑張ったな。とっても綺麗だったよ。」
「ありがとうございます」
「本当に、すごかったぞ」
そんな三人のところへ、見知らぬ女性が近づいてきた。
「突然すみません。少しお話してもよろしいですか?」
「……はい?」
瑠夏が不思議そうに女性を見る。
女性は、柔らかく微笑んだ。
「先ほどの演技を拝見していました」
「ありがとうございます」
「とても素敵な演技でした。それで……」
女性が少し間を置いてから、瑠夏に尋ねる。
「モデルのお仕事に興味はありませんか?」
「……え?」
瑠夏は目を丸くした。
翔も、隣で女性を見る。
拓実も少し驚いたように、瑠夏へ視線を向けた。
女性から仕事の内容や事務所について、簡単な説明を受ける。
そして、女性は名刺を差し出した。
「一度、保護者の方と相談してみてください。もしご興味があれば、こちらにご連絡ください」
「……ありがとうございます」
瑠夏は名刺を受け取った。
けれど、まだ何が起きたのか理解しきれていない。
手の中の名刺を見つめる。
そこに書かれている言葉。
モデル。
「……私が、モデル?」
その様子を隣で見ていた翔は、最初は笑っていた。
――さすが、俺の彼女。
そんな誇らしい気持ち。
けれど、女性が去ったあと。
瑠夏の手の中にある名刺を見る。
モデル。
芸能の仕事。
知らない世界。
翔の胸の奥に、少しずつ何かが引っかかっていく。
「翔?」
「……ん?」
「どうしたの?」
「いや……」
翔は笑おうとする。
「すごいじゃん、瑠夏」
でも、その笑顔が少しだけぎこちない。
瑠夏は気づかない。
「私、まだよく分かってないんだけど……」
「うん」
「お母さんに相談してみようかな」
「……そうだな」
翔は頷く。
けれど、頭の中には、
――瑠夏がモデルになったら、どうなるんだろう。
そんな不安が生まれ始めている。
まだ反対するほどではない。
まだ「やめろ」と言う気もない。
ただ、
自分の知らない場所へ瑠夏が進んでいってしまうような気がした。



