大会前日の夜。
ベッドの中でスマホを握りながら、私は翔から届いたメッセージを何度も読み返していた。
『明日、頑張ろうな』
たったそれだけの言葉なのに、不思議と胸が温かくなる。
明日は、翔も大会。
私も大会。
同じ日に、それぞれ違う場所で戦う。
だから、応援には行けない。
『うん。翔も頑張ってね』
そう返すと、すぐに既読がついた。
『瑠夏もな。お互い、精一杯やろう』
その文字を見つめて、私は小さく笑った。
「……うん」
明日は、私も頑張ろう。
翔がいる場所で。
私がいる場所で。
それぞれが、自分の力を出し切るために。
*
大会当日。
会場の空気は、いつもとは違っていた。
張り詰めた緊張感。
周りから聞こえてくる声。
演技を終えた選手たちの表情。
私は深く息を吸った。
大丈夫。
今日まで練習してきた。
何度も繰り返してきた。
だから――
私は、私の演技をする。
翔も、きっと今頃。
自分の競技に集中している。
そう思うだけで、少しだけ勇気が湧いた。
*
そして、翔もまた。
走高跳の競技エリアで、静かにバーを見つめていた。
助走の距離を確認する。
一度、深く息を吐く。
周囲の声が遠くなる。
今は、自分との勝負。
助走。
踏み切り。
身体が宙へ浮く。
――バーを越えた。
歓声が上がる。
翔は着地すると、静かに息を吐いた。
まだ終わっていない。
次の高さへ。
翔はその高さを成功させた。
その瞬間、会場から大きな拍手が起こった。
翔は、ほんの少しだけ空を見上げた。
そして心の中で呟く。
瑠夏も、頑張ってるかな。
*
すべての競技が終わった。
結果が発表される。
私は掲示板の前で、自分の名前を探した。
そして――
そこにあった名前を見つけた瞬間、息を呑んだ。
優勝。
「……私……?」
信じられなくて、何度も見返す。
市内大会、優勝。
そして、県大会への出場が決まった。
胸の奥から、じわっと喜びが込み上げてくる。
嬉しい。
でも。
その瞬間、真っ先に思い浮かんだのは――翔だった。
翔も、どうだったかな。
スマホを取り出す。
すると、ちょうど通知が届いた。
『優勝した』
短いメッセージ。
私は思わず笑ってしまった。
『私も優勝したよ』
送信。
すぐに既読がつく。
『マジ? おめでとう』
『翔も、おめでとう』
少しして、またメッセージが届いた。
『じゃあ、二人とも県大会だな』
その文字を見つめながら、私は胸の奥が熱くなるのを感じた。
同じ場所にはいなかった。
お互いの頑張っている姿も、直接見ることはできなかった。
それでも――
同じ日に。
それぞれの場所で。
私たちは、一緒に頑張った。
『うん。県大会も頑張ろうね』
送信すると、翔から返事が来た。
『もちろん』
たった一言。
なのに。
その言葉が、今の私には何より嬉しかった。
ベッドの中でスマホを握りながら、私は翔から届いたメッセージを何度も読み返していた。
『明日、頑張ろうな』
たったそれだけの言葉なのに、不思議と胸が温かくなる。
明日は、翔も大会。
私も大会。
同じ日に、それぞれ違う場所で戦う。
だから、応援には行けない。
『うん。翔も頑張ってね』
そう返すと、すぐに既読がついた。
『瑠夏もな。お互い、精一杯やろう』
その文字を見つめて、私は小さく笑った。
「……うん」
明日は、私も頑張ろう。
翔がいる場所で。
私がいる場所で。
それぞれが、自分の力を出し切るために。
*
大会当日。
会場の空気は、いつもとは違っていた。
張り詰めた緊張感。
周りから聞こえてくる声。
演技を終えた選手たちの表情。
私は深く息を吸った。
大丈夫。
今日まで練習してきた。
何度も繰り返してきた。
だから――
私は、私の演技をする。
翔も、きっと今頃。
自分の競技に集中している。
そう思うだけで、少しだけ勇気が湧いた。
*
そして、翔もまた。
走高跳の競技エリアで、静かにバーを見つめていた。
助走の距離を確認する。
一度、深く息を吐く。
周囲の声が遠くなる。
今は、自分との勝負。
助走。
踏み切り。
身体が宙へ浮く。
――バーを越えた。
歓声が上がる。
翔は着地すると、静かに息を吐いた。
まだ終わっていない。
次の高さへ。
翔はその高さを成功させた。
その瞬間、会場から大きな拍手が起こった。
翔は、ほんの少しだけ空を見上げた。
そして心の中で呟く。
瑠夏も、頑張ってるかな。
*
すべての競技が終わった。
結果が発表される。
私は掲示板の前で、自分の名前を探した。
そして――
そこにあった名前を見つけた瞬間、息を呑んだ。
優勝。
「……私……?」
信じられなくて、何度も見返す。
市内大会、優勝。
そして、県大会への出場が決まった。
胸の奥から、じわっと喜びが込み上げてくる。
嬉しい。
でも。
その瞬間、真っ先に思い浮かんだのは――翔だった。
翔も、どうだったかな。
スマホを取り出す。
すると、ちょうど通知が届いた。
『優勝した』
短いメッセージ。
私は思わず笑ってしまった。
『私も優勝したよ』
送信。
すぐに既読がつく。
『マジ? おめでとう』
『翔も、おめでとう』
少しして、またメッセージが届いた。
『じゃあ、二人とも県大会だな』
その文字を見つめながら、私は胸の奥が熱くなるのを感じた。
同じ場所にはいなかった。
お互いの頑張っている姿も、直接見ることはできなかった。
それでも――
同じ日に。
それぞれの場所で。
私たちは、一緒に頑張った。
『うん。県大会も頑張ろうね』
送信すると、翔から返事が来た。
『もちろん』
たった一言。
なのに。
その言葉が、今の私には何より嬉しかった。



