「これだよ。本当に百花ちゃん以外どうでもいいんだな。したんだよ、本人はこの四年間、ずっとお前の恋人気取りでいるぞ。あわよくば結婚も目論んでるからな」
「なぜだ?」
心底わからないと言わんばかりに、玲桜が不思議そうに熊谷に問いかけた。
「いや、玲桜のことが好きだからだろ」
「そうか、知らなかった」
だからと言って、すでに既婚者である玲桜には関係ない話だ。
「え、それだけ?」
「問題があるか?」
ないだろう、と視線で説き伏せ、玲桜は走り出した車内から流れる景色を眺めた。
四年前のあの日の誤解が解けたからか、百花の気持ちも以前より軽くなっていた。
玲桜は月に三分の一くらいしかこの町に居られないと言っていた通り、家を空けることも多い。けれど、家にいる日は、朝から晩まで百花たちをかまい倒した。
梅雨明けこそしていないが、空は毎日晴天。
サンルームのホットタブをプール代わりに水遊びする日もあれば、お弁当を持って玲桜の祖父の敷地だというあの温室にも行った。シャボン玉をしたり、バーベキューをしたり、雲一つない空に、花が吹いたシャボン玉が舞っていく。はしゃぐ花の歓声の中、きらきらした笑顔を百花は何枚も写真に収めた。
自分がこんなにも写真を撮る人間だったなんて、花が産まれるまで知らなかった。
玲桜が花を包む円錐のシャボン玉を作って見せたときの驚きと興奮が混じった表情は、最高に可愛かったし、疲れて木陰で玲桜と重なり合って眠る姿もあどけなかった。
「いい寝顔」
幼い頃の自分にそっくりだと言うだけあり、寝顔もよく似ている。
携帯には見知らぬ番号からの不在着信が入っていたが、どうせ勧誘の電話だろうと無視して、取ったばかりの写真が収まっているフォルダを開いた。
携帯には、玲桜の写真も増えていく。
『百花、愛してる』
見返すデータの彼は、どれも笑っていた。
「なぜだ?」
心底わからないと言わんばかりに、玲桜が不思議そうに熊谷に問いかけた。
「いや、玲桜のことが好きだからだろ」
「そうか、知らなかった」
だからと言って、すでに既婚者である玲桜には関係ない話だ。
「え、それだけ?」
「問題があるか?」
ないだろう、と視線で説き伏せ、玲桜は走り出した車内から流れる景色を眺めた。
四年前のあの日の誤解が解けたからか、百花の気持ちも以前より軽くなっていた。
玲桜は月に三分の一くらいしかこの町に居られないと言っていた通り、家を空けることも多い。けれど、家にいる日は、朝から晩まで百花たちをかまい倒した。
梅雨明けこそしていないが、空は毎日晴天。
サンルームのホットタブをプール代わりに水遊びする日もあれば、お弁当を持って玲桜の祖父の敷地だというあの温室にも行った。シャボン玉をしたり、バーベキューをしたり、雲一つない空に、花が吹いたシャボン玉が舞っていく。はしゃぐ花の歓声の中、きらきらした笑顔を百花は何枚も写真に収めた。
自分がこんなにも写真を撮る人間だったなんて、花が産まれるまで知らなかった。
玲桜が花を包む円錐のシャボン玉を作って見せたときの驚きと興奮が混じった表情は、最高に可愛かったし、疲れて木陰で玲桜と重なり合って眠る姿もあどけなかった。
「いい寝顔」
幼い頃の自分にそっくりだと言うだけあり、寝顔もよく似ている。
携帯には見知らぬ番号からの不在着信が入っていたが、どうせ勧誘の電話だろうと無視して、取ったばかりの写真が収まっているフォルダを開いた。
携帯には、玲桜の写真も増えていく。
『百花、愛してる』
見返すデータの彼は、どれも笑っていた。
