愛してるの期限が切れる前に

「あいつとヤれたなら、俺ともできるだろ?」

 腕の中でもがく百花を力づくで抱き上げ、ベッドへ運んだ。逃げようとする足を掴んで引き寄せると、自分の身体で百花を押さえ込んだ。服をめくり、折れそうなくらい細い腰に手を這わす。吸いつくような肌の質感に歓喜と、燃えたぎる嫉妬が増大した。
 百花はどこもかしこも細くて、そのくせ柔らかいのだ。

「や……ぁ、玲桜」

 脆弱な抵抗が劣情を煽る。
 この非力さを若森も知ったのか。
 小ぶりな顔立ちを涙で濡らしながらも、玲桜が与える快感に目を白黒させながら反応する無垢さがたまらない。

「嫌ならもっと真剣に拒めよ」

 そう囁けば、恨めしそうに睨めつけてくるが、「……もぅ」と、こんな玲桜を許容しているような仕草すら見せる。

(調子に乗せるなよ)

 全部、自分のものだ。
 百花のすべてに玲桜の証を刻みつけたい。外も中も、余すところなく誰の所有物かを知らしめるのだ。
 何度果てても枯渇する気がしない欲望に、百花はもう抵抗することも忘れている。
 玲桜の愛撫に蕩け、その熱に浮かされている。

「もも、キスして」

 そう囁けば、素直に応じてくる。

「可愛い」

 それが無意識なのか、諦めの境地から理性を手放しただけなのかはわからなくても、玲桜にとっては至福の時間だった。
 明け方まで百花を抱いたおかげか、荒ぶる激情は鎮まっていた。
 だが、幸福の時間が過ぎれば、次にやってくる公開という名の波に、玲桜は頭を抱えた。
 疲労困憊で懇々と眠る百花は、ひどいありさまだった。
 身体中についた噛み痕やキスマーク。
 避妊もせずした行為が、どれだけ百花に負担をかけたか、男の自分で計ることはできないが、最低の行動だったことだけは理解していた。
 濡れタオルで彼女の身体を清め、掛布を整えたくらいでは謝罪にもならない。
 玲桜が無理矢理脱がした服は、多分二度と着れないだろう。