愛してるの期限が切れる前に

 自分だけが被害に遭うならいいが、今は花がいる。あの子にまで危険が及ぶのだけは避けたい。それなら、今すぐ玲桜から離れなければいけないのに、脅威が花に迫っている事実が、百花の足枷になっていた。

(いろいろ逃げてるから)

 若森や、玲桜にリリカ。
 どれも中途半間のままじゃないか。
 百花はいつも楽な方へ流れていく。より生きやすい方へ流される。
 人生で百花が頑張ったことは、花のことしかない。

(玲桜が総帥に選ばれるまでだから)

 どうか、それまで誰にも見つかりませんように。
 また逃げていると心の中で責める声が聞こえるが、それなら戦う勇気はどこから湧いてくるのかくらい教えてほしかった。