「大丈夫よ、気を使わないで。って、玲桜の方こそ座ってて! ごめんね、気づかなくて。物が置いてある場所を教えてくれたら私もできるから」
怪我人にお茶を淹れさせるところだった。
慌ててキッチンに入り、玲桜を止めた。
「玲桜はコーヒー?」
綺麗なキッチンだが、使っている雰囲気はなかった。背面の棚にはずらりといろんな種類のコーヒーメーカーが並んでいるのを見る限り、コーヒーは自分で作って飲んでいるのだろう。
(どうやって使うのかな?)
動画で見るような機器を物珍しげに眺めていると、サイフォンを見つけた。
「初めて見た」
「理科の実験みたい?」
小声で言ったのに、玲桜にも聞かれていたのか。
「玲桜は思わなかったの?」
「実は思った。せっかくだし、これでコーヒー淹れようか。ももはコーヒー飲めるようになった?」
「牛乳があればどうにか」
「はーちゃも、ぎゅうにう、のむぅ!」
それまでモモと遊んでいた花が、ぎゅうっと百花に抱きついて言った。
「牛乳の銘柄は?」
玲桜の何度目かの問いかけに、百花は「なんでも」と苦笑した。
花は初めて見るサイフォンに夢中で、いつ硝子に手を伸ばすかとひやひやした。
「れーちゃ、ぶくぶくね」
コーヒーが溜まっていく様子が面白いのだ。
”れーちゃ”と呼ばれた玲桜は、そう呼ばれるたびに美貌を蕩けさせていた。
「ままぁ、ぎゅうにうのんだから、ほいくえん?」
「あ――……、今日は保育園はお休み」
「じゃあ、おうちかえる?」
無邪気な質問に、百花は玲桜を見遣った。
そうして、しゃがんで花と視線の高さを合わせると、ゆっくりと言った。
怪我人にお茶を淹れさせるところだった。
慌ててキッチンに入り、玲桜を止めた。
「玲桜はコーヒー?」
綺麗なキッチンだが、使っている雰囲気はなかった。背面の棚にはずらりといろんな種類のコーヒーメーカーが並んでいるのを見る限り、コーヒーは自分で作って飲んでいるのだろう。
(どうやって使うのかな?)
動画で見るような機器を物珍しげに眺めていると、サイフォンを見つけた。
「初めて見た」
「理科の実験みたい?」
小声で言ったのに、玲桜にも聞かれていたのか。
「玲桜は思わなかったの?」
「実は思った。せっかくだし、これでコーヒー淹れようか。ももはコーヒー飲めるようになった?」
「牛乳があればどうにか」
「はーちゃも、ぎゅうにう、のむぅ!」
それまでモモと遊んでいた花が、ぎゅうっと百花に抱きついて言った。
「牛乳の銘柄は?」
玲桜の何度目かの問いかけに、百花は「なんでも」と苦笑した。
花は初めて見るサイフォンに夢中で、いつ硝子に手を伸ばすかとひやひやした。
「れーちゃ、ぶくぶくね」
コーヒーが溜まっていく様子が面白いのだ。
”れーちゃ”と呼ばれた玲桜は、そう呼ばれるたびに美貌を蕩けさせていた。
「ままぁ、ぎゅうにうのんだから、ほいくえん?」
「あ――……、今日は保育園はお休み」
「じゃあ、おうちかえる?」
無邪気な質問に、百花は玲桜を見遣った。
そうして、しゃがんで花と視線の高さを合わせると、ゆっくりと言った。
