「どうせ役に立たんのだ。どこに飛ばそうとどうせ役に立たん男だ」
「辛辣だな。自分の息子だろう」
目の前に用意されたカステラには手を着けず、玲桜は茶を啜った。
「なら、あいつの処遇は俺に任せてもらっていいか」
「好きにしろ」
言質が取れれば、あとは玲桜の独壇場が待ってるだけだ。積年の恨みを晴らさせてもらう。手段は決めている。
父にとってもっとも屈辱的な苦痛を用意しておこうか。
あれを苦しめるに最適な人物を玲桜は知っている。
玲桜を生んだ母だ。
彼女の性癖は自尊人の高い人間を服従させること。実に父の相手にはうってつけだった。一度は鳳グループの圧力で手を引いたが、父に後ろ盾がなくなったと知らせれば嬉々として迎えに来るだろう。プライドだけは高い父を母がどのように躾けるかは、玲桜の知ったところではない。
二度と、自分たちにかかわらない存在になってくれれば、どうでもいいからだ。
「それはそうと、わしの孫はめんこいのかの?」
「奥さん共々最高だよ。今度連れてくるけど、ももと子どは置いて帰れなんて絶対に言うなよ」
「ほほぉ、それほどか! 楽しみじゃな」
薄暗い思惑を知ってか知らずか、祖父はひ孫との再会に胸を膨らませていた。
その後、祖父と久しぶりの歓談を終えた玲桜がロビーに下りると、リリカが待ち伏せしていた。
ヒールを慣らせて近づいて来たリリカが、泣きそうになりながら玲桜に取り縋ろうとした直後、熊谷がそれを遮った。
「ちょっと、退きなさいよ!」
「行ってください。ここは私が」
熊谷の制止を振り切ろうと、リリカがもがいている。
「待ってよっ、レオ! どういうことっ!? 婚約者は私だったでしょ!」
ひと目も憚らず喚く声が、ロビーに響いた。
人気モデルが髪を振り乱しながら、自称恋人だった玲桜に食ってかかる様子に、携帯を向ける者も多かった。
「辛辣だな。自分の息子だろう」
目の前に用意されたカステラには手を着けず、玲桜は茶を啜った。
「なら、あいつの処遇は俺に任せてもらっていいか」
「好きにしろ」
言質が取れれば、あとは玲桜の独壇場が待ってるだけだ。積年の恨みを晴らさせてもらう。手段は決めている。
父にとってもっとも屈辱的な苦痛を用意しておこうか。
あれを苦しめるに最適な人物を玲桜は知っている。
玲桜を生んだ母だ。
彼女の性癖は自尊人の高い人間を服従させること。実に父の相手にはうってつけだった。一度は鳳グループの圧力で手を引いたが、父に後ろ盾がなくなったと知らせれば嬉々として迎えに来るだろう。プライドだけは高い父を母がどのように躾けるかは、玲桜の知ったところではない。
二度と、自分たちにかかわらない存在になってくれれば、どうでもいいからだ。
「それはそうと、わしの孫はめんこいのかの?」
「奥さん共々最高だよ。今度連れてくるけど、ももと子どは置いて帰れなんて絶対に言うなよ」
「ほほぉ、それほどか! 楽しみじゃな」
薄暗い思惑を知ってか知らずか、祖父はひ孫との再会に胸を膨らませていた。
その後、祖父と久しぶりの歓談を終えた玲桜がロビーに下りると、リリカが待ち伏せしていた。
ヒールを慣らせて近づいて来たリリカが、泣きそうになりながら玲桜に取り縋ろうとした直後、熊谷がそれを遮った。
「ちょっと、退きなさいよ!」
「行ってください。ここは私が」
熊谷の制止を振り切ろうと、リリカがもがいている。
「待ってよっ、レオ! どういうことっ!? 婚約者は私だったでしょ!」
ひと目も憚らず喚く声が、ロビーに響いた。
人気モデルが髪を振り乱しながら、自称恋人だった玲桜に食ってかかる様子に、携帯を向ける者も多かった。
