入学式が終わってから、あたしは「山下慶太」の姿を探した。 あたしは眼鏡をかけるほどじゃないけど、目が悪い。 だから人探しはけっこう苦手。 いたっ!! 「山下くんっ」 それまで周りの男の子と楽しげに話していた「山下慶太」は振り向いて、少し鬱陶しそうな顔でこっちを見た。 「…何?」 怯むなっ! 「あの、さっきはごめんね。山下くんと同じ名前の友達がいたから、もしかしたらって思って…」 とにかく謝って、事情を伝えることができた。 今ので思い出してくれたかな?