好きになる前に、恋人になった――いつか、君につながる

話題を変えたくて、メニューを指さす。

「不过这里也不错。这个韭菜鸡蛋饺很好吃」
(でも、ここもいいよ。このニラ卵餃子、美味いよ)

奈緒の目がぱっと明るくなる。

「真的?那我一定要尝尝」
(本当ですか? ぜひ食べてみたいです)

餃子、本当に好きなんだろうな。

餃子を何種類かと、ほかの料理も頼んだ。
注文が終わると、小明が奈緒を見る。

「你今天白天做什么了?」
(今日、昼間は何してたの?)

「没做什么。一直待在酒店看中国电视剧」
(何もしてないよ。ずっとホテルで中国ドラマ観てた)

「又看电视剧?」
(またドラマ?)

小明が笑う。

また?
俺は奈緒を見る。

「这么喜欢?」
(そんなに好き?)

奈緒は嬉しそうにうなずいた。

「因为日本还没上线的剧,在这边可以先看呀。一来上海,我就忍不住一直追」
(日本ではまだ配信されていないドラマを、こっちでは先に観られるんです。上海に来ると、つい観まくっちゃって)

そう言って笑う。
好きなものの話になると、わかりやすい。
見ているこっちまで楽しくなる。