高校中退後 私は田舎町からトランク一つで この街にやってきた。 両親も彼氏も友達も いない私には失うものは 何もなくて・・・ 何かを考えるとか 何をしたいとか 空っぽだった。 その日一日どうやって 生き延びるかのほうが その頃の私にとっては 大事だった。 私のことを知らない この街。 私はまっさらな自分になるために 偽りの世界で生きることを望んだ。 その日 鈴木愛 二十歳の女の子が生まれた。