「な、なに?」 戸惑いの色が滲む先生の声に、私はハッとなって 勢いよく手に持っていた傘を差し出した。 「これ、昨日の。ありがとうございました!」 先生はタバコを灰皿に押し当てると、ビニール傘を受け取った。 「おう、風邪引かなかったか?」 「はい!元気満々です!」 私は先生を心配させまいと、ふざけ半分でマッスルポーズをとった。 そんな私を見て先生は口の端をあげて笑うと、 「馬鹿は風邪ひかねーって言うもんな。」 と返した。