「…へえ。だからあんな冷たいんだ。」
葉月も私の思惑を察したのか、突っ込んだりはせずただそう言った。
「そうなのかもね。……なんか、先生の過去に対して、今を生きる私って無力だなって思っちゃってさ。」
ストローで氷の溶けたグラスでかき回しながら、私はぽつりとそう言った。
過去を変えることなんて、当たり前だけど私にはできない。
だけど今を変える術もわからない。
「私が過去を変えられたら、先生は幸せになるのかなとか思うけど、無理じゃん?じゃあ今どうしたらいいのかなって思うけど、わかんないしさ…。」
私の言葉に、葉月はアイスを一口食べると口を開いた。
「いや、まずこはるの人生なんだから、自分の幸せ考えな?」
そう真顔で言う葉月に、私は「え?」と戸惑いの声を漏らした。

