「お前は、俺のどこがそんなにいいの?」
「え?」
突然の質問に私は思わず声が漏れた。
「俺なんてお前からしたらおじさんだし、タバコも吸うし、口は悪いし、良いとこなんてないだろ。」
そう訝しげな表情で自分の悪いところを上げる先生に私はぽかんとした。
先生、気づいてないのかな?
先生はかっこよくて、優しくて、大人で、でもどこか子供みたいなところもあって、
そんなところが好きなのに。
そう伝えたかったけど、私は教えてあげるのが嫌になって
「全部です!」
とぶっきらぼうに答えた。
だってそんな良さを知っているのは、今は私だけがいいって思ったから。
こんなのわがままかな。
そんな私に先生は「全部、ねえ。」と意味ありげに笑った。
それから私をじっと見おろした。

