「へえ、先生って忙しいんだね。」
「お前は俺が暇人だと思ってたのか…?」
私が何気なく言うと、先生は眉間に皺を寄せてそう言った。
「いやそう言うわけじゃないけどさ、ねこにみかん来てくれないかなあって思ってただけ。」
「あっそ、気が向いたらなー。」
「絶対来てくれないやつじゃん、それ!!」
唇を尖らせる私に、先生は珍しく眉を下げた。
「まあ、美柑に呼び出されたら行くかもな。」
そんな先生に、私は少し違和感を覚えた。
普段だったら断固行かない!行くわけない!!って言う先生が、
美柑さんのことになるとこんな風に困った顔とか、居心地の悪そうな顔をする。
二人の間に、何かあるのかな…。
大人の世界のことは私には想像もつかなくて、
その代わりに胸がちくんと痛んだ。

