「ええ!?こはちゃんの好きな人が司!?!?」
店内に、美柑さんの大きな声が響いた。
「声がでかい!」
浅生先生は眉を寄せて突っ込んだ。
「ごめんごめん、びっくりしちゃって。…でも、クソガキとか言ってくるとか、なんか納得しちゃった。」
「お前美柑に何言ってんだ。」
今度は先生の睨みが私に向いて、私は慌てて視線を逸らした。
「こはちゃん、こんな男のどこがいいの??口悪いおじさんじゃん!」
「そうだ、そうだ、やめておけ。」
心配そうに私を見つめる美柑さんに先生がここぞとばかりに便乗する。
「確かに口悪いし、たまに本気でムカつくけど…それでも優しくて、好きなんです。」
きゃー!言っちゃった!
なんて照れて机を見つめた。
「司はこんな可愛くて健気な子にクソガキとか酷いこと言ったの!?」
「んなこと言われても…。」
そう言う先生は少しバツが悪そうで、
こんな弱気な先生を初めて見て、私は思わず笑ってしまった。
先生と私が出会ったことは偶然でも奇跡でもなく
神様が決めた運命だったらいいなって、
怒る美柑さんとその横で居心地の悪そうな顔をする浅生先生を交互に見つめながらそう思った。

