浅生先生は、ちょうど空いた私の前の席に腰掛けると、私の解き途中のプリントを見た。 その瞬間、ふわりとタバコの匂いが香った。 大人の香りだ。 勝手に動き出す心臓に気づかないふりをしてると、先生は真剣そうな表情でプリントを見つめた。 「ん?ここ違う。使う公式これじゃない。」 先生はそうバッサリと言い捨てる。 「あのですね…。」 私はずっと抱えてたもやもやを説明しようと、おずおずと口を開いた。