二人は長い年月を別々に歩いてきた。 とても長い時間を… 凌だ。変わらない、昔とちっとも変わらない凌が今、目の前にいる。 「椎菜……!」 そう言って、凌はきつく抱きしめてくれた。 「ちょっ、苦しい!」 「椎菜!椎菜!ごめんな、ごめん」 「うん、うんわかったから、ちょっと離して!苦しい!」 凌は中々、腕の力を緩ませなかったけれど、これが答えなんだ。 凌の愛は、まだ存在しているんだ。 そう思ったら、あの日からずっと強張っていた体の力がすうっと緩むのがわかった。