階段を昇って、突き当たり。 標札は『石垣』のままだった。 そこには少し色褪せた標札。その文字を見たら、嬉しさや切なさで急に胸が締め付けられた。 「お母ちゃん、誰のおうち?」 「希幸、あんたのお父ちゃんのおうちだよ。」 そう言ってチャイムを鳴らした。 部屋の中から走る足音が聞こえた。 ガンッ どけかに足でもぶつけたような音も。 すると玄関が、何のためらいもなく開けられた。