故郷へ向かう電車の中で、希幸ははしゃいでいた。乗ってからもう2時間、同じ景色が続いたけれど、駅に着いてバスに乗り換えて、希幸は疲れたみたいで私の膝で眠り始めた。 希幸は自分の父親の存在を知らない。聞いたりもしなかった。淋しいだろう。まわりの子供達をどんなに羨んだ事だろう。 そして、その父親もきっと知らないだろう。この子の存在を…… みんな今頃何してるのかな。のんきは元気にしてたのかな。 ママも、バンドのみんなも客も、友達もみんな。 元気にしてたかな。