都合のいい話しをする女に怒りが込み上げた。 「自分から離れて勝手に結婚して、それが駄目になったからって凌に戻るって言うの!?」 「あら、怒らないで。 彼だって戻ってもいいって言ってるのよ?」 「うそ! だって凌には私が…」 「その証拠はあるの?あなたを愛してるんなら、昨日私は彼の部屋に泊まったりしないわよねぇ〜?」 息が詰まった。心臓がドクンと波打った。 (凌がこの人を泊めた…?) そんなはずない、と自分に言い聞かせられるほどの力はもう残っていなかった。