「私と凌は高校一年から付き合ってたの。何をするにもどこに行くのにも離れた事なんかなかった。けれど、27歳になろうとしてた時、親の会社の取引先の息子と結婚させられたの。親同士の結婚よ。大きな取引先だったしね。仕方なかった。」 女は私の横に腰をおろした。 「その時は凌を傷つけてしまって、私達は終わったの。凌と二人で結婚の約束もしてたわ。」 「そんな… 凌を傷つけて、今更何しに来たの!?」 「言ったじゃない。私には凌しかいないの。離婚しちゃったしね。私が愚かだったのよ。」