世界で一番わがままな君とガラスの心臓

首に下げたカメラを持つ手が、小さく震えている。


「俺は……なんて残酷なことを……」


湊先輩は唇を強く噛み、深く頭を下げた。


「ごめん、明日ちゃん。俺……なんにも知らなくて、勝手に浮かれて……」


「……謝らないでよ」


明日は腕で顔を隠し、ぽつり、ぽつりと小さな声で呟いた。


「謝られたら……可哀想な子扱いされたら……私、本当に惨めになる。……私に同情するなら、もう二度と近づかないで……!」


そう言い捨てて、明日は砂浜を駆け出した。


決して速くはない、すぐに息が上がってしまうようなつたない走り方で。