世界で一番わがままな君とガラスの心臓

「……明日ちゃん?」

湊先輩は不思議そうに眉をひそめた。

無理もない。

東京から来た彼にとって、明日の病状について知っているのは「身体が弱くて学校を休みがち」という表面的な情報だけなのだ。

ここで誤解されたままにしたくない。明日の本当の想いを、湊先輩に知ってほしかった。


「湊先輩……」

私が口を開こうとした瞬間、明日は「やめて!」と鋭い声を上げた。

「言わないで! 風花、お願いだから……惨めな同情なんて買いたくないの!」

「明日……ごめん。でも、湊先輩にはちゃんと知っててほしい。先輩なら、明日を『可哀想な病人』なんかじゃなく、ちゃんと『茅野明日』として見てくれるから」