世界で一番わがままな君とガラスの心臓

「……なんで追ってきたのよ。そのまま冷たいジュースでも飲んで、二人の輝かしい『未来』の話でもしてればよかったじゃない」


唇を噛み締め、睨みつけてくるその瞳の奥には、怒りよりも深い『悲しみ』と『怯え』が揺らいでいた。


「明日ちゃん……ごめん、俺、何か気に障ること言っちゃったかな」


少し遅れて砂浜に降り立った湊先輩が、息を切らしながら歩み寄る。その申し訳なさそうな顔を見て、明日はふいっと顔を背け、自分自身の腕をギュッと抱きしめた。


「気に障るとかじゃない。……ただ、気持ち悪くなっただけ。あなたたちみたいに、当然のように『明日(あす)』が来ると思ってる人間と一緒にいると、息が詰まるのよ」