世界で一番わがままな君とガラスの心臓

「来年の春? 後輩? 大学? ……ふざけないでよ」


明日は冷ややかな瞳で、私と湊先輩を順番に見つめた。


「私には関係のない、どうでもいい話。……一人で勝手に、何十年でも未来(あした)の話をしてればいいじゃない」


「あ、明日、待って——!」


引き止める私の声を振り払い、明日は背を向けて自動ドアへと歩き出した。


賑やかなチェーン店を抜け出し、カンカンと照りつける夏の太陽の下へ消えていく小さな背中。

店内に残された冷気の中で、私と湊先輩は、伸ばした手を下ろすことしかできなかった。