世界で一番わがままな君とガラスの心臓

「そんなことないよ。東京の進学校って、みんな化け物みたいに勉強できるからさ。来年の四月には、また満員電車に揺られて、ビル群の中を歩いてるのかなって思ったら、なんだか不思議な感じがする」


「来年の春……かぁ。風花は二年生になって、後輩が入ってくるんだね」


「そうなんですよ! 先輩風吹かせられるように頑張らないと」


私と湊先輩の会話は、ごく自然に『未来』へと向かっていた。


来年の秋のこと、受験のこと、来年の春のこと。どこへ進み、どんな自分になっているのかという、高校生なら誰もが口にする当たり前の『将来』の話。


——その時だった。