世界で一番わがままな君とガラスの心臓

橘家の縁側で問い詰めると、明日は顔を真っ赤にして『な、なによ! 昔はそうだったかもしれないじゃない! バカ風花!』と叫び、私の差し出したかき氷のイチゴシロップを全取りしていった。



あの子は、昔からずっとそうだったのだ。


病弱で、自由にならなくて、壊れ物みたいに大人たちから過保護に扱われるのが何よりも悔しくて、私にだけは惨めな自分を見せたくなくて、背伸びした嘘をついて強がっていた。


「未来」なんていらないと叫び、命を燃やし尽くそうとしていた親友。


トラックの上でスランプに悩み、風を切ることすら怖くなっていた私。



大人たちはあの夏を「無謀な子供のエゴ」と笑うかもしれない。