世界で一番わがままな君とガラスの心臓

国道沿いの眩しい灯りと、潮風の匂い。


私たちは縁側に並んだまま、重ねあわせた手に互いの体温を感じていた。


「ねえ、風花」

「なに?」

「来年の夏も……ここでかき氷を食べましょうね。今度は、シロップをもっと綺麗にかけるのよ」

「うん。来年も、その先も……ずっと一緒に食べよう」

「それにしても暑いわね……まだ夏は終わらないね」


明日が海の上に広がる、紫色の空を眺めながらつぶやいた。

それにうなずくと、しばらく二人で眺めていた。


私たちの海と空。



「未来」なんていらないと叫んでいた少女が、いま、当たり前のように次の夏を口にしている。


嵐の夜に咲かせたあの秘密の花火は、消えてなくなったんじゃない。