世界で一番わがままな君とガラスの心臓

「暗闇の中に引きずり込まれそうで、息ができなくて、すごく怖かった。……でもね、その暗闇の中で、耳の奥であんたの足音が聞こえた気がしたの。会えなくても、風花が私の代わりに、太陽の下を本気で走り抜けてくれてるのが分かった」


明日はそっと手を伸ばし、私の首にかかった金メダルに指先で触れた。


「あんたの走る風が、私を暗闇から引っ張り戻してくれたのよ。あんたが私の『明日(みらい)』を繋ぎ止めてくれたの」


手紙なんていう冷たい紙片じゃない。


下田の病室で、会えない孤独を乗り越えて、いま、目の前にいる親友が、生きた声で、生きた体温を込めて届けてくれた本音。