世界で一番わがままな君とガラスの心臓

「……今日、東京から写真が届いたわ。暗室で焼いた、あの突堤の花火の写真。……『医者になるための勉強、本格的に始めたよ』って、生意気な手紙が添えられてた」


「ふふ、湊先輩らしいね。下田の駅で別れた時も、すごく良い顔してたよ」


「ふん、都会の気取った男が医者なんて勤まるのかしらね。……でもまあ、私がまた倒れたら、主治医にしてこき使ってやるつもりだけど」


強がる明日の表情には、湊先輩への絶対の信頼と、離れていても繋がっている確かな温もりが滲んでいた。


「風花」


ふいに、明日が静かな声で私を呼んだ。


「なに?」


「私ね……ICUで意識が戻ったとき、本当はあんた宛てに手紙を書こうとしてたの」