世界で一番わがままな君とガラスの心臓

「当たり前でしょ……。あんたを残して死ぬなんて、悔しくて絶対に嫌だったのよ……」


涙でくしゃくしゃになった顔を上げ、私は明日の手を取って我が家の縁側へと連れて行った。


縁側に並んで腰を下ろす。


庭の青もみじが夕風にさわさわと揺れ、吊るされた風鈴がチリン、と涼しげな音を鳴らした。


あの夏のはじまりと同じ光景。


けれど、私たちの間にある空気は、あの日とはまったく違っていた。


「そういえば、湊先輩から連絡あった?」


私が尋ねると、明日は少しだけ頬を朱く染め、麦わら帽子の庇(ひさし)を指先で弄った。