世界で一番わがままな君とガラスの心臓

『1位 橘風花(海咲) 13秒01』
「じゅ、十三秒ゼロイチ……! 大会新記録……! 優勝だぁぁぁぁっ!!」
スタンドの最前列で見ていた陸上部の大工原先生と仲間たちが、柵から身を乗り出して狂喜乱舞していた。
「十三秒……ゼロイチ……」
自分の出したタイムを見つめたまま、私はその場にへたり込んだ。
自己ベストをまたしても大幅に更新する、圧倒的な大会新記録。
県大会の頂点——優勝の二文字が、私の名前の隣に誇らしく輝いていた。
「やった……やったよ、明日……っ!!」
芝生に手をつき、込み上げる熱い涙がトラックにぽたぽたと落ちた。
自分の足で掴み取った金メダル。