世界で一番わがままな君とガラスの心臓

あの日、下田駅のホームで東京へ旅立っていった湊先輩の覚悟。
手元に残された、突堤で涙を流しながら笑っていた明日の写真。
そして、会えない親友へ捧げる、私自身の命の鼓動。
すべての瞬間が、このひとすじの風の中に溶けていく。
私は胸を突き出してゴールラインを駆け抜けた。
ゴールと同時に、スタンドから割れんばかりの歓声と拍手が爆発した。
スピードの乗ったままトラックを走り抜け、芝生の上へと着地する。
ポニーテールが大きく揺れ、激しい荒い呼吸が口から漏れた。胸が激しく上下し、全身の細胞が歓喜の悲鳴を上げている。
振り返り、大型電光掲示板を見上げた。
一瞬の静寂の後、数字が点灯する。