世界で一番わがままな君とガラスの心臓

「そして……カメラも絶対に手放さない。医者になって命を救って、写真家として、その人が生きている一番美しい瞬間を写真に残す。それが、明日ちゃんから『今』を教わった俺の、これからの生き方だ」


改札の向こうで、東京行きの特急列車の発車を告げるアナウンスが響き渡った。


発車ベルの甲高い音がステーションに鳴り響く。


湊先輩はボストンバッグを肩にかけ直すと、改札口へと一歩を踏み出した。そして、振り返って私に爽やかな笑みを向けた。


「風花ちゃん」


「はい!」