世界で一番わがままな君とガラスの心臓

冷めきった緑茶の缶をベンチに置き、私は湊先輩の目の前に屈み込んだ。


「面会できなくても……会えなくても、明日は生きてます。あんなに綺麗に燃え上がった命の火が、こんなところで消えてたまるか」


「風花ちゃん……」


「明日は逃げてなんていなかった。大人たちの言う通りに静かに消えるのを拒んで、自分の命を自分の手で燃やし尽くしたんです。……あの夜の花火も、明日の笑顔も、絶対に間違いなんかじゃなかった」


涙で濡れた視界の向こうで、私は自分の右手を固く握りしめた。


救急車の中で離れてしまった明日の手。


ICUの重い扉の向こうで、いまも機械の音に包まれて戦っている親友。