世界で一番わがままな君とガラスの心臓

いちごシロップの赤なんて生ぬるい、本当の『命』の赤。それが、彼女の胸元を、そして湊先輩の手を赤く染めていった。


「嘘……嘘でしょ、明日……っ!」


私は声の限り叫んでいた。


頭上で打ち上がっていた花火は、いつの間にかすべて尽きていた。


突堤を包んでいた白銀の光は消え去り、再びどろりと重い暗闇が私たちを飲み込んでいく。


漂う激しい火薬の煙。


足元を打ち鳴らす、重く低い波の音。


さっきまで私たちが作った天国みたいな楽園はどこにもなく、そこにはただ、冷たい暴風と、息絶えようとしている親友の姿があるだけだった。


「救急車……! 救急車呼ぶから!!」