世界で一番わがままな君とガラスの心臓

湊先輩はカメラを地面に放り投げ、手押し車の陰に置いていたリュックをひっつかんだ。


震える手でチャックを開け、中身をコンクリートの上へぶちまける。


「あった……これだ!」


小さなカプセル入りの薬袋を掴み、湊先輩が明日の口元へ駆け寄る。


しかし——明日はもう、薬を飲み込むことすらできなかった。


「っ……がふっ……!!」


激しい咳とともに、明日の身体が弓なりに跳ね上がった。


次の瞬間、彼女の口元から、赤黒い液体が吐出された。


「あっ……!」


真っ白なワンピースの胸元に、散乱した花火の灰とともに、痛々しい血の斑点が大きく広がる。