世界で一番わがままな君とガラスの心臓

明日がこんなにも素直に人を好きになり、自分の命を愛おしいと思えたこと。


「死にたい」ではなく「生きていてよかった」と泣けたこと。


それが嬉しくて、誇らしくて、胸がいっぱいになっていた。


私はそっと夜空を見上げた。


花火の煙が風に流され、雲の切れ間から、眩しい満月が顔を覗かせている。

切なさも、寂しさも、全部私の宝物だ。

二人が見せてくれたこの輝く時間を、私は一番近くで見守れたんだから。


そう思っていた、まさに次の瞬間だった。

風の音が、急に止んだような気がした。

「……あ」


湊先輩の胸元で泣いていた明日の身体が、どさりと力を失ったのは。