世界で一番わがままな君とガラスの心臓

明日の大きな瞳から、再び大粒の涙がポロポロと溢れ出した。

けれど、今度の涙は溢れるほどの愛おしさに満ちていた。

明日は湊先輩の胸元に小さくおでこを預け、声を殺して泣いた。

湊先輩はそんな明日の背中にそっと手を回し、夜風から守るように包み込んでいた。


二人の姿を、私は少し離れた場所から見つめていた。


胸の奥が、ぎゅっと締めつけられる。


寂しさが無かったと言えば、嘘になる。幼馴染として、親友として、ずっと明日の隣にいたのは私だった。

二人だけの世界に引きこもって、運命を呪い合っていたのは私だった。


だけど——。


「……よかったね、明日」


私の口から漏れたのは、温かい祝福の言葉だった。