世界で一番わがままな君とガラスの心臓

私は叫んでいた。自分の声が花火の爆音に打ち消されて届かなくても、叫ばずにはいられないほどの光景だった。


凄まじい火薬の匂いが風に乗って鼻を突く。


胸を突く連続的な振動。


そして何より、今まで見たどんな花火大会よりも近く、圧倒的な密度で頭上に降り注ぐ光の群れ。


黒く濁っていたはずの夜の海が、花火が弾けるたびに赤く、青く、金に輝き、激しくうねる波頭が宝石のようにキラキラと反射していた。


大人の「仕方がない」という一言で奪われかけた夏が。


過疎化した静かな町の暗闇が。


いま、高校生三人が作った泥臭いガラクタの発射台から放たれた光によって、完全に支配されていた。


私は思わず隣を振り返った。