世界で一番わがままな君とガラスの心臓

懐中電灯のほの暗い光に照らされた彼女の横顔は、白磁のお人形のように透き通っている。


肩を上下させ、荒い息を吐き出しながらも、その手元に迷いはなかった。


激しい波音のシンフォニーに消されそうな小さな呼吸。


けれど、その身体から放出されている情熱は、台風の暴風すら凌駕していた。


「……ねえ、湊先輩」


パイプの隙間に五十連発の筒状花火を差し込みながら、明日がぽつりと呟いた。


「なに?」


「本当に……揚がるの? このガラクタみたいな仕掛けで」


「ガラクタとは酷いなぁ」


湊先輩は苦笑しながら、バッテリーコードの導線を花火の導火線へと丁寧に巻きつけていく。