世界で一番わがままな君とガラスの心臓

心臓が破裂しそうなほど早警鐘を打ち鳴らしている。


もし警察に見つかったら、もし近所の人に通報されたら——補導どころの話ではない。


けれど、恐怖以上に全身の血が熱く湧き立つような高揚感が、私の背中を押し続けていた。


突堤の先端では、湊先輩と明日が手際よく打ち上げの準備を進めていた。


「明日ちゃん、このパイプの角度、20度くらい海側に傾けて固定してくれる? 重り用の砂袋はそこにあるから」


「言われなくても分かってるわよ。……この結束バンドでパイプ同士を縛ればいいのね?」


明日は前髪を風になびかせながら、細い指先でテキパキと作業をこなしていた。