世界で一番わがままな君とガラスの心臓




前髪を眉の上で揃え、サイドの髪を真っ直ぐ切りそろえた漆黒の「お姫様カット」。


透き通るような白い肌と、今にも倒れてしまいそうな線の細い身体。どこからどう見ても、物語の中から飛び出してきたかのような、儚く可憐な和風のお姫様そのものだった。


「まあまあ、気を使わないで! 体調が悪いんだから、早く横になりなさいね。明日ちゃんの健康を、街のみんなで祈ってるんだから」


「はい……お気遣い、ありがとうございます。ふふ、竹内様もお体にはお気をつけくださいね」


儚げで、天使のような微笑み。


竹内さんのおばさんは「なんて可愛い子なのかしら」と目元をぬぐいながら、満足そうに去っていった。