世界で一番わがままな君とガラスの心臓

一之瀬写真館の裏倉庫から引っ張り出してきた二輪の手押し車。


その上には、数日前に国道沿いの量販店で買い集めた大量の打上花火と、湊先輩が塩ビパイプで組み上げた手作りの木枠発射台、そして接続用のコード類が、ブルーシートで厳重に覆われて積まれている。


私と湊先輩が交互に手押し車の取っ手を握り、明日は先導役として暗闇の路地を滑るように進んでいた。


サッサッ、とスニーカーが湿った砂利を踏む音だけが静かに響く。


交番の巡回ルートや地元の警備団の目をかいくぐり、私たちは一度も大人に見つかることなく、サンセットビーチの東端へと辿り着いていた。


「よし……ここを潜るよ」