世界で一番わがままな君とガラスの心臓

昼間とは一変し、街灯の光も届かない突堤の先端は、漆黒の闇に包まれつつあった。


足元で足場を叩く波の音が、ドォン、ドォンと重く身体の芯まで響いてくる。


「ここだね」


湊先輩が懐中電灯の光を足元へ向けた。


ひび割れたコンクリートの平地。海に向かって視界が開けており、背後には旧市街の影が重なっている。


「ここなら、木枠の発射台をロープで固定できる。街の方角へ火花が飛ばないよう角度を計算すれば、完璧に海の上へ咲かせられるよ」


「……綺麗でしょうね」


明日がぽつりと呟き、黒くうねる海を見つめた。